「『細胞では、細胞分裂にともなうDNA複製時に塩基の不対合(ミスマッチ)がある場合、ミスマッチ修復機構が働いて、それを修復します。この修復機構の機能低下により、さまざまな遺伝子の異常が積み重なり、細胞ががん化することがあります。この修復機能を担うタンパクをコードしている遺伝子はミスマッチ修復遺伝子と呼ばれます。リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)は、ミスマッチ修復遺伝子であるMLH1、MSH2、MSH6、PMS2の生殖細胞系列の変異が原因であることが知られています』という記載が、『HNPCC素因を持つ女性は、一生を通じての子宮内膜癌発症は30~50%にみられる。その発症平均年齢は46歳である』という加齢と発ガンの関係の説明として分かりやすいということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。さまざまな遺伝子の異常が積み重ならないと、細胞がガン化しないという説明が、修復機構の機能低下と加齢と発ガンの関係の説明として分かりやすいですね。」

「ウィキペディアの『遺伝性非ポリポーシス大腸癌』には、『遺伝性非ポリポーシス大腸癌とは常染色体優性の遺伝的素因による大腸癌である。子宮癌、卵巣癌、胃癌、小腸腫瘍、胆嚢癌、尿管癌、脳腫瘍、皮膚癌など、他臓器における発癌もしばしばみられる。これらの発癌リスクの上昇はDNAミスマッチ修復酵素の変異による』のように、『ミスマッチ修復遺伝子の変異』ではなく、『ミスマッチ修復酵素の変異』と書かれていましたね」と町会長。

「そのことについては、ファルコバイオシステムズの『リンチ症候群の遺伝子診断 MLH1/MSH2/MSH6/PMS2/EPCAM遺伝子検査のご案内』というウェブページに、『リンチ症候群でみられるがんは、ミスマッチ修復系で働くタンパクをコードしている遺伝子の変異が原因で発症すると考えられています。ミスマッチ修復系で働くタンパクとしてこれまでに6種類のタンパク(MLH1、MSH2、MSH6、PMS2、MLH3、MSH3)が報告されています。これらをコードしている6種類の遺伝子はまとめてMMR(mismatch repair: MMR)遺伝子と呼ばれています。MMR遺伝子のうち生殖細胞系列の病的変異がリンチ症候群に関与していると報告されているのは、4種類―MLH1遺伝子、MSH2遺伝子、MSH6遺伝子、PMS2遺伝子です』という記載があります。」

「酵素ではなく、タンパクなのですか」と町会長。

「そうなんですよ。MMRと呼ばれる6種類の遺伝子に対して、同じ名前の6種類のタンパクがあるのです。ウェブで『MLH1酵素』あるいは『MLH1 enzyme』で検索しても、該当するウェブページは見つかりません。」

「『MLH1タンパク』あるいは『MLH1 protein』だったら、ヒットするページがたくさんあるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。英語で検索しても、結果は同じなので、英語で『MLH1 enzyme』と言わないので、日本語でも『MLH1酵素』とは言わないということですね。」

「それでは、MLH1はタンパク質であって、酵素ではないということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。英語のウィキペディアに、『enzyme』という項目があるので、読んでみたら、『enzyme』の定義が出てきました。」

「英語は、『始めに言葉ありき』を信奉するキリスト教文化圏の言葉なので、定義が正確なのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「『enzyme』は、どのように定義されているのですか」と町会長。

2021/2/22

<氷期はラニーニャとともに到来する5>
『卓球レポート15』に『間氷期はおおよそ10万年の周期で繰り返すと言われているが、前回の間氷期で最も大気の温度が高かったのはおおよそ12万5千年前で、ボストークの氷床などから現在の気温よりだいぶ高かったと推定される。この異常に高温な季候で人類の祖先が熱中症になり、激しい肝機能低下で体が捻じれながら縮んで次々と亡くなっていったとき、生物学的な潜在的進化をしていた肉体的に強靭な現在の人類の祖先が生き残った可能性が高い』と書いたことを覚えている読者の方もいるのではないかと思う。

改めて、ボストークで得られた掘削氷柱のCO2と温度変化の推移を表示したグラフを見ると、どの時代においても、CO2濃度と気温はともに上昇している。工業化が行われていない10万年以上前でもCO2濃度は高くなっている。だから、科学的に考えれば、CO2濃度が現在上昇しているからと言って、氷期が来ないとは言えない。<続く>

2024/2/9